言葉を失った一言(2013年9月1日 読売新聞)


神奈川県 主婦 58

 90歳の母が転んで腰を打ち、入院した。独居でがんばっていたのだが、認知症もあり、施設への入居を予定していた矢先だった。
 寝たきりにならないよう気を配ってほしいとお願いしたところ、主治医は「施設に入るなら、認知症があると、この先、徘徊はいかいということも考えられる。歩けない方が楽かもしれませんね」と言った。言葉を失った。
 歩けない方が楽とはどういう目線での言葉なのか。幸い、母は歩けるようになった。
 あの若い医師はこれから先、多くの患者を担当していくのだろう。その患者や家族がどのような思いをすることになるのだろうかと暗い気持ちになる。