9月議会の顛末
9月議会では最大の懸案となっていました体育館建て替え問題、当初予算が43億円でしたが、工事執行が凍結され、消費税増税の影響を受け、結果50億円を超えることになりました。この責任問題をめぐって、9月議会の閉会日、議場が騒然。
新体育館建て替え特別委員会の委員長報告の中で、私の討論文が読み上げられているとき、ある議員が、大きな声で、動議だ、動議だと騒ぎはじめました。動議がかかった箇所は、
「今回の消費税増税等による建設コストの増大の責任は、市、議会にある」
というところです。これの何がいけないの? 1年生議員の私の頭の中が?状態のまま、本会議が中断し、議会運営委員会が開かれました。動議をかけた議員は
「責任が議会にあるというのは事実に反する」
と主張しました。つまり、消費税増税による建築費の増額は、議会に責任はない、というのです。その根拠として、午前中開かれた総務委員会で、都市整備部長が今回の工事執行の遅れは行政の責任だと言った、と説明しました。
エッ?都市整備部長はそんなこと言っていないゾ?・・・
「動議にかかった部分を取り消すことができるが・・」
と言われました。私はなんでそんな提案をされるのかわからなく、
「これは会派でまとめた意見です。それに、なにより取り消す理由がありません。都市整備部長も執行部の責任だと言っていないと思います」
と主張しました。その後、都市整備部長が呼ばれて、「責任は執行部にあるとは言っていない」と証言し、さらに、委員会での発言の書き起こしを見ても、「3月議会で決まらなかったので、工事予定が遅れた」という説明だけだったことが判明。結局、動議は有効ではないということになりました。そして、何事もなかったかのように、本会議は再開しました。
なんじゃ、こりゃ? (・・?
あんな大騒ぎして、議会をとめて、結果はこれ? 最初からわかっていたことなのに・・・。一年生議員はここでもまた、目が点になりました。
以下は最終日の討論です。
市民クラブを代表し、陳情第16号「新体育館早期建設を求める陳情書」について、期日の部分を除き、賛成の立場から討論する。
まず 最初に陳情を出された方々、そして、署名を出された約2万4千人の方々、そして、市民の皆様におわびを申し上げたい。
この新体育館建て替えの当初の費用は約43億円であった。ところが、3月議会で結論が出ず、特別委員会設置となり、今なお工事着工に至っていない。去年から今年にかけての建設にかかる社会状況は大きく変化している。3.11東日本大震災の復興による人材不足、資材不足、そして、オリンピック東京開催決定によるこれからの労賃高騰、資材費高騰、さらには、消費税増税・・・これらはすべて前もって予測ができたものである。世間では消費税増税に備えて、去年から住宅着工件数が大幅に上昇し、駆け込み受注が増えている。にもかかわらず、流山は、世の中の動きに逆行したといっていい。ここに、改めて、一般社会とのコスト意識のずれが極めて大きいことを私達は危機感をもって再認識すべきである。
今回の体育館建て替えにおいて、市、議会ともに反省すべき点は多々あるが、そのうち、3点指摘する。
1.
市民参加の時期が遅すぎる。執行部は、市民参加条例を遵守した、政策形成のもっと早い段階での市民参加を図るべきであった。
2.
執行部は、もっと早い段階で、議会との綿密な意見交換を図るべきであった。
3.
時間との勝負であった今回の新体育館建て替えにおいて、議会の審議はあまりに対応が遅すぎた。結果 多大な損害を生じたことに対し、議会は重大な責任の一端を担う。今後、決して同じ轍を踏まぬことのないよう、肝に銘じるべきである。
陳情について、現体育館ができてから40年、市民の数は倍以上になり、競技場は狭く、古く、公式大会にも適していないなど、市民からの不満の声は絶えなかった。また、3・11以降、市民の防災意識の高まりの中で、本来は市内最大の防災拠点になるはずであるが、今なお耐震構造がとられていない。こうしたことから、現体育館が十分に建て替えの時期に来ているということに異議を唱えるものはいないと認識する。また、建て替え場所については、防災拠点として市の中央にあることが望ましく、全市民がアクセスしやすい現地点が最適であると考える。
この体育館建て替えの構想が生まれて以降、社会状況は刻々変化した。3.11復興策の影響、オリンピック東京開催、消費税増税等々、いずれ
も建築コストに跳ね返り、われわれにとってはきわめて厳しい状況となるが、その一方で、オリンピックの経済効果は合計3兆円が見込まれ、うち、東京以外の地域の経済効果は1兆2666億円といわれている。その経済効果の恩恵を期待するとともに、要望を一点、新体育館建て替えが承認されれば、ぜひとも、新体育館をオリンピックの練習場として売り込むことを検討していただきたい。
新体育館は公式競技場となる。もし、オリンピックの練習場になれば、
世界一流の選手が流山にやってきて、世界一流のスポーツを流山の子供たちに、直に触れる、チャンスを与えることになる。それは、流山の子供たちに何物にも変えがたい贈り物となるはずである。
新体育館建て替えが通過した暁には、市、議会は、マイナスをプラスに転ずるべく、一致団結して、その新体育館を最大限に有効活用する策を考えるべきである。それが、私たちがこれからできることである。そう強く要望して、賛成の討論とする。
