キセラ川西と名付けられたこの低炭素まちづくりの対象地区は、もともとは皮革工場地帯だった。このエリアには、平成16年までは皮革工場が集積していたが、その皮革工場から排出される有害物質等で環境問題が生じ、その環境対策に年間多額の負担がかかっていた。ピーク時100社程あったという皮革工場も少しずつ減少していき、この地域の再開発が求められるようになった。
再開発するには、莫大な税金投入が必要となるものの、これまでの環境対策の膨大な負担と、皮革工場による異臭がなくなるので、再開発事業に踏み切った。
空いていた旧工場地帯を中心に再開発なので、土地の買収にあまりトラブルはなかったことも幸いし、この計画は時間的にスムーズに進んでいる。過去に工場が有った場所に地下貯留槽が有ったが、そのまま防災用として活用することも決定。この地域に建物を建てるときは環境基準に順守することが前提となる。
◆ まちづくりコーディネート業務
まちづくりにおいて、そこに住む人、利用する人の声が反映されなくては、市民の満足が得られない。川西市は都市設計をするにおいて、事前にワークショップを開催。平成23年度には「せせらぎ遊歩道ワークショップ」を実施し、平成26年から今年4 月にかけて市民の皆さんの参画のもと「中央公園ワークショップ」を4 回開催。いずれも市民の活発な意見交換があった。 最近、流山市民から、ある公共施設の設計デザインが使う人の側にたっていないという不満の声を耳にしたので、特に、この重要性を強調したい。
新しい公共施設の建設やまちづくりには、市民の声を丁寧に聴くプロセスが大事である。川西市のまちづくりの過程に見習いたい。
