奈良県生駒市は、大阪のベッドタウンで、市の成り立ちも流山に類似している。昭和30、40年代に人口が急激に増え、その人口が今、高齢化に直面しつつも、市そのものの人口はベッドタウンとして今なお増えつつある。また、市の財政は産業よりも、ベッドタウンに移り住んできたサラリーマンの方々の税収に大きく依存する。その市が環境に重点をおき、住宅都市が抱える高齢化、産業の脆弱性、ごみ問題といった課題に取り組もうとしてする点が目をひく。環境とは、地球規模の深刻な課題であるものの、往々にして、衣食住足った後の課題となりがちであるからだ。
生駒市が市のセールスポイントをなぜ環境に特化したのか?それは生駒市の市民の特色にある。今も比較的、富裕層が多く、市民の意識も高い。今後もさらに、意識の高い富裕層にアピールし、呼び込むために環境に着目した。説明の中で、「わが市の財産は、意識の高い市民です。市民力がわが市の財産です」と言い切る職員の言葉が印象的だった。
生駒市の環境モデル都市アクションプランとは以下の点を目指す。
① 都市構造の再設計:世代を超えて暮らせるECOで快適な街
② 資源循環・エネルギー自給システムの構築:災害に強いエネルギーの街
③ ICTを活用したコミュニティサービスの推進:最新の技術により多様なサービスと省エネ・創エネが融合する街
④ ショックのバリューチェーンの構築:地産地消の食による産業復興と自然豊かな街
⑤ 地勢(坂のまち)に対応した交通システム:気軽に外出できる便利で環境にやさしい交通体系のある街