「半分でできないか」という彼のキャッチ・コピーや名刺に書かれた「議員を先生と呼ぶのはやめよう」というコピーをみて、コピーライターでもないのに、コピーライターのセンスがあると思った。
そして、それ以上に、彼の主張は、民間出身の私にはとてもわかりやすかった。 例えば、毎年11月3日(文化の日)に功績のあった市民が表彰される「市最高の顕彰制度」というのがある。ボランティアなどで功績のあった人を表彰する制度だが、ここで「議員2期以上で70歳以上」の人も表彰される。現職、元職が対象となる。酒井さんは「これはおかしい」と反対した。「議員報酬を貰いながら仕事をして、表彰を受けるのはおかしい」「議員は表彰対象から外すべき」「現職議員も対象にするなどありえない」と迫った。議会内で議論され、結果は「議員が現職の間は対象から外す」となった。酒井さんは議員引退後、表彰の対象となったが辞退された。私も民間出身のせいか、「議員らしい」ことで、なかなかなじめないことが多い。酒井さんのいわゆる「議員らしくない」主張は私にはとてもわかりやすい。
「議員らしくない」酒井さんは私の政治の師匠である。