何度同じことを伝えても、次には、けろっと忘れている。
同じ種類のものを何台も通販で買う。
なじみのところに行くのに、道に迷って、いけなくなった。
車を運転しても小さな事故を頻繁におこす。
近くの町に住む息子夫婦がひきとった。
認知症が進んで、家でみることができなくなったために、有料老人ホームにはいった。
ところが、攻撃的なために、ホームから追い出された。
今は精神病院に入った。
お友達は、それを知って 悲しみ、嘆く。泣く人もいる。
昔の利発な彼女を知っている人は、老いのあまりの残酷さに胸がつぶれる思いだ。
でも、見方を変えれば、今はまだ病院が受けてくれるから、少なくとも、家族は救われる。
もうしばらくすれば、高齢者の数がもっともっと増大し、
病院や施設は足りなくなるのは目に見えている。
けれど、国は病院や施設を作る気はない。そんなお金もない。
在宅、在宅を繰り返す。
老人ホームから追い出され、はいれる病院もなくて、
家に戻ってきたとき、家族はどうなるのだろう。
要支援サービスが市町村に移管されつつある。
そのうち、介護保険から切り離されるだろう。
地域によっては、「市町村は自治会にほうりなげてくるんじゃないの」と警戒する声もある。
私は財源がなければ、要支援は隣近所の助け合いで行われてもいいと思っている。
けれど、要介護4,5の方々のめんどうを見る施設は、自治体は確保する責任がある。