在宅医療:地域包括ケアは実施にいたっていない・・・

 入院日数が短期化する中で、厚生労働省の調査では、退院の許可が出たとしても、「自宅で療養できない」と回答した入院患者は24%(「在宅医療について」平成29年 1月11日)。退院後の在宅療養の環境を不安に感じている方々が多い。

市民クラブ主催で、2018年7月15日に元松阪市市長であり、現医者として、在宅医療に取り組んでいらっしゃる山中光茂氏をお招きして、「地域で考える在宅医療と仕組みづくり」を開催。約150名の方に参加していただいた。





また、2019年1月17日、私たちの会派が紹介会派となって流山市議会にお呼びして、議員研修会を開催。テーマは「在宅医療と在宅介護について~現場の幸せや痛みに寄り添うために~」。全議員の他に副市長、福祉部長、職員、市民も参加し、活発な意見交換が行われた。




山中氏は「地域包括ケア」について、「現実は、理念がうたわれ、予算がつけられているだけの段階」であり、「地域包括支援センターも本当に必要とする方の情報がきめ細かく的確に入ってくるかといえば、人的配置、システム整備ともにまったく足りない。結果として入ってきた情報に基づいてその場しのぎに対応しているにすぎない」と言う。

流山の地域包括支援センター(高齢者なんでも相談室)は高齢者の数に対して、圧倒的に、職員の数が足りない。本来は、二カ所あるべきところで、一カ所しかないのが現状。一般質問で何度か取り上げたが、ようやく一カ所増やす方向であると聞く。

また、在宅医療では、病院の入院日数の短期化が進むと、自宅に戻される。しかし、流山市の在宅医療を引き受ける病院、クリニックはどこか、開示がされていない。在宅医療を必要とする市民の数に対して、医師の数は十分なのか?訪問看護師の数は足りているのか?在宅医療の環境が市民にはまったく開示されていない。

他市はどうか?医療地域資源マップを採用している自治体が増えている。地図上に、市内の在宅医療機関がマークされ、そのマークをクリックすると、詳しい情報が表れる。流山市も作るべきだ。

山中光茂氏曰く「行政が現場の声をしっかりと聞きながら一人ひとりの幸せや痛みに現場できめ細かく寄り添っていく・・・それにもとづく制度設計を・・・「現場型」に応じた柔軟な即応力のあるものにしていくべきなのです。」
ここにも、現場に軸足をおいた「蟻の眼」がある。