柏市には地域医療推進課、松戸市には地域医療課がある。それに対し、流山市は、健康増進課、介護支援課はあるが、医療を専門とする担当課はない。この理由のひとつに、市立病院がない、という点が大きいと思う。
「えっ!公立病院を抱えると、赤字で大変ですよ」
病院の赤字経営に苦心されている市町村はそう言うだろう。もちろん、今から流山市に公立病院を建てようというのでは決してない。
公立病院で財政的に苦労されている市町村は負の財産ばかりを受け継いでいるのか、というと、そうではない。公立病院の赤字を抱える行政、議員、そして市民は財政的苦境を背負っている分、庁内で、議場で、市民との意見交換の場で議論を交わし、地域医療に対する目が厳しくなる、意識が高くなる・・・医療のプロを職員に迎える市町村もあると聞く。
反対に、行政に医療を専門に取り組む担当課がいない流山市の医療体制は十分整っているのか? 国では、医療と介護の一体的な改革が行われる中、流山市は国の後追いになってはいないのか。問われる点は数多くある。
医療は0歳から100歳の市民の生活に関わる。市民に直接かかわる情報提供や市民の医療に関する不安、疑問、質問に答える、医療を専門とする担当課は必要である。